芸と華

僕らはステージに上がったら

商品だと思うんです。

ステージに上がるには

上がるなりの理由、

人が金を払う正当性、

つまり商品価値が必要なの。


ダンサーで大事なのは

華がある事だと思うんです。

夢を売る商売だからね。

それには、

その人がステージに立っただけで

パーっと会場全体が明るくなる

ような人が必要だと思うんです。

これは鍛えようがないですよね、

持って生まれたものだから。

ただ単に容姿が良いとか

そう言う事だけでもない気がする。

そんな人はあんまり居ないけどね。


まずショーの世界って

こう言う残酷で

不平等な世界なんだと言う

認識が最近は全然ないんだと

思うんですよ。

人類は皆平等だと

思ってるみたいだけど

ここには当てはまらないの。

それを全然分かってない。


だって、

ジャニーズにただのおっさんが

一人入ってたら怒るでしょ?

なんで?

居る資格がないからじゃん。


じゃあ、

華がない人はどうするの?

そんなの芸で

努力しかないじゃん!

それを上回るくらい芸で

努力する事で

その人の商品価値や

魅力を作るしかないじゃん!


その切羽詰まった感じ、

危機感のなさが今の人には

全然ないんですよ。

努力もしないのにステージに

上がろうとするじゃん。

大多数の人に

華がないんだから

華がある人に負けてたまるか!

と、

そこで燃えてしかるべきなのに

そう言うテンションや

執念がない。


例えば、

サッカーとかで

選ばれる選手で考えたら、

「この人は点取り屋でもないし

スター性もない体格も良くない。

でも練習頑張ってるし、

豊富な運動量がある。

じゃあ使おう!」

とかなるじゃん。

必死になって

他の価値を作ってそれを

武器にする事で

試合に出る正当性を

主張出来るじゃん。

その努力の連続でまた契約を

更新してもらって

選手生命を維持出来る

わけじゃん。


だから華がないならない分

必死に芸で

努力するはずなんですよ。

じゃなきゃなんでお客さんは

金払わなきゃいけないの?

何に対して?


素人だけど集客力があるから。


、、もうやめようよ、

そう言うの。


そう言う客って

まるで小学生の運動会を

見に来るような感覚じゃん。

「がんばれー!」

とか言って素人を応援して

マイホームパパみたいなやつは

ビデオ撮影とかしたりして、

何それ?


「、、健気な姿を

見てくだちゃい」


同情を乞うな、馬鹿者!

僕らは物乞いなのか?

え?

物乞いなのか?

ちゃんと正当に芸で

金もらう勝負をしろ!

僕らは物乞いじゃねー、

きちんと芸をお見せして

正当な対価をいただく、

そう言う商売をしてんだよ!


「あ、コンパス外しちゃった、

テヘペロ」

てめー!!

華がないのに

芸がなくてどうやって

客から金取るんだ!


ジャニーズに一人おっさんが

入ってて、

なんだあれ?ビンを

投げつけてやろうか?と思っても、

めちゃくちゃ踊りが上手いとか

凄く面白いとか何かあれば

許されるじゃん。


人がお金を払うって事は

どう言う商品価値なのか?

って事が発生すると思うし、

それは

華があるか?

それに負けない芸があるか?

それしかないでしょ。

それ以外は物乞いと同じ。