基礎を疎かにする人が
多い気がします。
ギターを弾く事や
フラメンコを踊る事は
「アートをやる」
と言う事においてみんな同じ
スタートラインだし
やる事も同じはずなのに、
アマチュアや生徒さんは
基礎を軽んじてる事が
多い気がします。
偽の100曲より
本当の1コンパスを目指せるか？
なんだけど、
これがなかなか
出来ないんですよね。
フラメンコの勉強なんて
考えてるよりも
ずっと地味なんですよね。
1コンパスの積み重ねだから。
でもあんまり地味だと
生徒が続かないから
どうしても曲を毎週
進めたりしがちです。
「本当は出来てないけど
またこれを指摘したら
こればっかりやらせる事に
なっちゃう、、
きっとうんざりして
飽きて嫌になっちゃうから
とりあえず先に進もう」
とかなっちゃう。
それでじゃあ
出来ない所を
本当に真剣に考えたり
後から克服するか？
と言ったら大抵やらないよね。
そもそもフラメンコの
曲を弾くって事は
コンパスとかが
分かった上でやる
とても高度な事なのに、
みんなすぐカッコつけて
やろうとしちゃう。
サビーカスだって
歌と踊りの伴奏を10年やって
初めてギターソロに
行けると言ってるのに
そうじゃなくていきなり
ギターソロ。
それはやっぱり
無理があるだろうし、
やった所で
ちゃんと理解してやらないから
コンパスにならないし
中途半端で
刹那的なものになっちゃう。
でも
「フラメンコギターを教える」
と言ってる以上、
それに罪悪感を覚えて
「やっぱり曲より
基本的なコンパスから
やり直しましょう」と言うと
またそれはそれで
うんざりしちゃう。
やっぱり誰だって
カッコよく一曲通して
曲が弾きたいし、
踊りが踊りたい、
その気持ちは僕だって
分かってるけど、
どうしてもついて回るのが
コンパスの問題だから
むしろそこをしっかりやる方が
結果的には近道になると
思うんだけど地味でつまらない。
例えるなら
「ドレミを弾いてみよう」と
言う事になったとして
「あ、今はレが早かった。
今度は遅い。
今度はミが遅れた。
ドが遅れた。
今はミが他より弱かった。
リズムが死んでますね。
のっぺりしてます。
躍動感がない。
アクセントがない。
ノリがないですね。」
こんな事を何年も、
いや、一生やる事になる。
全然進まないですよ。
一音弾くのも神経使ったり
怖くなるし。
「、、これはまず
この状態で来る前に
メトロノームで
練習した方が良いですよ。
メトロノームあります？
今、アプリで
簡単に手に入るでしょ？
何？
メトロノームの音で
練習したら機械の音に
なっちゃうんじゃないか？
、、そんなの練習してから言え！
化け物はこんなの
あっさりとやってのける
んだよ。
化け物を見てから言え！」
「じゃあ、曲に戻りますか。
、、今、コンパスのどこを
弾いてるか自分で
分かってますか？
メロディをコンパスに
当てはめるの難しいですよね。
、、一拍ズレてますね。
やっぱりコンパスがまだ体に
入ってないんじゃないですか？
やっぱり曲は一回やめて
もう一回、
コンパスを練習しましょう。」
こんな事の繰り返しに
なりがちです。
普通はそんな事しないで
もっと楽しめるように
どんどん次を
教えるんでしょうけど、
嘘はついたって仕方ない、
何も出来てない曲が
増えるだけ。
そもそも簡単な物じゃ
ないですよ、とっても難しい。
まずその深刻さが
あんまり分かってない。
だけど、今の時代は
生徒が楽しむ事が
優先されるでしょ？
出来てなくても
衣装着て踊ったり
曲を弾いたり、
それで愛好家だとか言うじゃん。
でも芸をちゃんとやらないなら
愛ってないよね？
そもそもフラメンコの練習は
地味なんですよ。
それをスルーして
派手な見栄えのする方に
目移りしちゃうの。
いきなり最終系に行っちゃうし
形だけ理想をやっちゃう。
だから曲の完成度が低くても
目をつぶっていられるし、
楽しければ良いって
言いだしちゃう。
それだと未来がなくて
刹那的なんですよね。
基礎をちゃんとやらないから
それ以上やりようがないし
のびようがなくて時間だけ
経ってしまう。
本当に芸に
愛があって誠実なら
もっと目立たない所で
地道にコツコツやるでしょ。
いきなり目立ちたがったり
カッコつけたい誘惑に
負けてたらダメなんですね。
SNSやインスタじゃ
ないんだから。
地道にコツコツやって
「気がついたら形になってた」
くらいじゃないと。