客は怖い

フラメンコショーを

ちゃんと見てもらうのって

本当に難しいんですよね。

一般客の多い所でやらせてもらう

機会が多かったので

特にそう感じますよ。

いざショーが始まってみると、

3割は

寝る人、見ない人、

喋る人、うるさがる人、

帰る人、分からないって言う人、

そう言う中でやってきたので

よほど面白くないと

見てもらえないんだな、

って思います。

真面目に見てるのかと思うと

ただおじさんが

写真撮ってるだけだったりね。

「写真撮ったの送るから

メアド教えて」


ショーはちゃんと

見てもらえるようにするのは

難しいし、

結局それが出来ないから

プロのステージと言いながらも

中身は生徒が会社の仲間とか 

呼んで繁盛してるように

見せてるんでしょ?

でも、

それだとミニ発表会みたくなって

裸の王様になっちゃいますよね。

バックだって

それで家賃とか払ってるから

下手とか上手いとか

そんなに関係ないよね。

とりあえず

ショーをやってくれないと

金が入ってこないもん。

それはそれで現実だもんね。

僕が「未熟ならやるな」

って言ったら

怒られちゃうよね笑


でも、そうやって

下手でもチヤホヤする人達に

ばっかり囲まれてたら、

根本の

「一般から見たらつまらない」

って事は何も解決しないし、

身内を呼ぶだけで成立するなら

芸もいらないと思うんですよね。

誰も何にも思わないのかな?

悔しいと思わないのかな?

僕は嫌なんですけどね。

でもそう言う問題を

考えはじめるには

現実を直視しないと始まらないし、

そこを認識出来てから

やっとスタートに

立てると思うんですよね。

そこから本当に芸で金取るって

どう言う事なのか?って

真剣に考えはじめると

思うんですよね。


あと、ライブハウスに

弾き語りの人のライブを

見に行ったりした事があるけど、

あれは勉強になりますね。

四組くらい出てきて

ピンからキリまでいますよね。

ハッキリ分かるよね、

また見たい人と

もう見たくない人、

その中でファンを増やして

活動を維持出来てる人は

すごい力量ですよね。


あれは己以外に 

頼るものがないですよね。

自分のオリジナリティのみが

勝負の世界。

フラメンコショーだと

「フラメンコを見せるので

お金ください」って言うじゃん。

個性と言うよりは

フラメンコと言うジャンル、

状況設定があってやってて、

しかも間違えてもそんなに

お客さんには分からないから

未熟でも誤魔化しがきくよね。

でも弾き語りは

完全にオリジナルの勝負だし、

ダメならもう客は聞かない。

これが素人っぽくて未熟なら

瞬殺ですよね?

金と時間返せ!

って言われちゃう。


例えば、

社長令嬢みたいのが

物凄く下手なんだけど

なぜか弾き語りやってて

「パパ、私ライブ出る!」

とか言い出して弾き語りの

ライブにブッキングして

社員総出で見にくるの。

ライブハウスもウハウハで

「またやってください!」

って当然言うの。

僕でもそう言うよね、

家賃払わないといけないもん。


お嬢様

「パパ、どうだった?」


社長

「最高だったぞ!な?お前たち。」


社員一同

「お嬢様、素晴らしかったです!

あんな才能を

お持ちだったんですね。

将来が楽しみですね!」


でも、

他のブッキングされてる

アーティストを

見に来てる人が見たら

「何なんだよ、こいつら、、

早く終われよ、二度と来るな。

貸し切りでやってろよ。」

って怒るよね。

音楽好きの集う場だから

特にそうだよね。

良い悪いをちゃんと

ジャッジされない環境でやってると

自分でも良いんだか悪いんだか

分からなくなっちゃいますよね。

そう言う意味では一般客が

一番怖いんですよね。

さくらじゃないし

ヨイショしないからね。