しばらくギターを
買ったりしてなかったけど、
良いギターを1本仕入れました。
コロナ禍などで
録音で弾く事も増えたので、
ギターに求めるのが音量よりも
音質になってきました。
マンションだと
あんまり大きな音が出せない
って事もあります。
仕入れたギターは
最初に試奏した時には
全然気に入らなかったです。
フラメンコっぽくないし
甘さも枯れた味わいもないです。
色んなギターを試奏しましたが、
大抵高級なギターは
太くて甘い高音や
素敵な和音の鳴り方や風情を
持っていて聴いた人を
酔わせるものなんですけど、
それは多分
倍音成分が関係していて
例えるなら香水が
ふわっと香る感じです。
音を演出してくれるわけです。
その香りのバランス加減が
その当時の流行とかもあって
「これこれ!この感じ」
みたいに思ったりするんです。
このギターには
全くそう言う所がないんです。
人を誘惑しないし
ただ言われた音しか鳴らさなくて
すっぴんで盛ってくれない感じ。
上から下までフラットに鳴るし
一瞬味気なくて素っ気ないんだけど、
ただその一音一音の正直な音の
クオリティがすごい気がしたんです。
言ってしまえば
それだけのギターなんだけど、
だからと言って
誰もそれを真似出来ない、みたいな。
ハッキリ本音を言う人みたいな、
辛口淡麗みたいなスッキリした感じ。
あと、
どんな音色がフラメンコらしいか?
とかも流行り廃りがあって
その当時を懐かしむ感じが
どうしてもある気がするんですよね。
僕の場合は
そうじゃなくて良いんじゃないかな、
と思ったんですよね。
このギターは飾りがない代わりに
音の純度みたいな物が高いので、
そう言う音は録音した時にも
音がクリアに鳴るような
良い方に影響する気がしました。